矢代秋雄のピアノ協奏曲
今週末も体の調子がよくなく、だるくて横になっていることが多かったです。私は根っからのクラシックファンではないですが生演奏のコンサートには20回以上行っていると思います。最近は音楽プレイヤーでたまに聞く程度です。最初にクラシックで衝撃を受けたのは高校生のときにラジオで聞いた、ショスタコーヴィチの交響曲第5番でした。このような、わくわくさせるような曲にいっぺんで好きになりました。その後、高校生のときに始めて聞いたオーケストラの曲がこの曲で演奏はNHK交響楽団でした。このときのエピソードがあって、高校からNHKホールに行くのに時間に間に合わなくなって、代々木八幡駅で降りて、門が閉まっている代々木公園の金網を乗り越えて強行突破しました。
さて、表題の矢代秋雄のピアノ協奏曲は日本の音楽史上に残るピアノ協奏曲の傑作と思います。最初は山本直純さん司会の「オーケストラがやってきた」の番組ので本人も登場されて、初演した中村紘子さんが演奏をしたのを覚えています。今までのピアノ協奏曲にない新しい音楽を感じました。特に第2楽章は、作曲者自身が、「子供のころの恐ろしい夢の思い出」と言っている楽章で、ピアノは、単純なリズムのC音のオスティナートが演奏されますが、管弦楽の音色と変化がすばらしです。C音の単音で始まり、C音の単音で曲が終わりますが実に癒される楽章です。第3楽章は途中第1楽章の回想をはさみながら、目まぐるしく楽想が展開され、作曲中「ピアニストは2本の手を持っているのではなく10本の指を持っているのだ」という先達の言葉を意識したとの矢代さんの言葉通り、全曲を通してピアノパートには高度な名人芸が要求されます。この曲は第16回尾高賞・文部省芸術祭奨励賞を受賞しています。
中村紘子さんがこの曲を初演するために練習時にあまりの高度なテクニックが要求されるので指に絆創膏を張りながら練習したそうです。黛敏郎さんも彼の音楽を高く評価しています。ただ、完璧主義、寡作主義で知られて、残された作品はどれも完成度が高いのですが、非常に少ないのです。実は若い頃は多くの作品を書いていたそうですが自分で全部、捨てたそうです。
たまたま、YouTubeに全曲がアップされていたので第2楽章だけでも聞いて欲しいと思います。
矢代秋雄のピアノ協奏曲第1楽章 (1/2)
矢代秋雄のピアノ協奏曲第1楽章 (2/2)
矢代秋雄のピアノ協奏曲第2楽章
矢代秋雄のピアノ協奏曲第3楽章
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